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PROJECT story

#02 関電不動産渋谷ビル

Shibuya

作り手と使い手の想いを紡ぎ、
渋谷の街に新たな彩りを。

関電不動産開発が手掛ける「関電不動産渋谷ビル」。オフィスビル開発において、建築を進める建築技術グループと、リーシングや運営を担う事業推進グループが連携し、本プロジェクトをけん引した。若手を中心とする4名が課題にどう向き合い、物件の価値向上を成し遂げたのか、情熱あふれる開発の舞台裏に迫る。

MEMBER.

  • 金子 千穂
    2018年入社 首都圏事業本部
    ビル事業部
    建築技術グループ
    金子 千穂
  • 瀧本 竣平
    2019年入社 首都圏事業本部
    ビル事業部
    建築技術グループ
    瀧本 竣平
  • 宮本 誠己
    2021年入社 首都圏事業本部
    ビル事業部
    事業推進第一グループ
    宮本 誠己
  • 尾西 美華
    2024年入社 首都圏事業本部
    ビル事業部
    事業推進第一グループ
    尾西 美華
section #

若手のアイデアから始まった、
新たなオフィスづくり

関電不動産開発 首都圏事業本部において、オフィスビル開発の川上である用地取得から商流を受け継ぎ、建物の建築を進めるのが建築技術グループである。関西出身、大学で建築を学んだ金子は、「建てて終わりではなく、建った後も顧客と関わり、運用や地域のエリアマネジメントにまで携わりたい」との想いを抱き、2018年に入社した。くしくも同年、「関電不動産渋谷ビル」が建つ土地の取得が行われ、その1年後、彼女は立ち上げメンバーとしてプロジェクトに名を連ねた。

当初から建設会社が決まっていたこともあり、両社の若手メンバーを集めた企画ワークショップが開催された。1カ月という短期間で形にするこの取組みから、「各階にテナント専用のテラスを設ける」や「貸室内に吹き抜け空間を取る」といった画期的なアイデアが生まれ、実際の設計にも反映されていった。もともと3棟のオフィスビルが建っていた本敷地はそれぞれ所有者が異なり、順次取得を進める必要があったため時間を要したが、その間も並行して基本設計は着実に進められていた。

その後、産休・育休を取得する金子と入れ替わるように、2022年7月の着工時期からプロジェクトに加わったのが、同グループの瀧本である。瀧本は関西の建築系の大学を卒業し、2019年に入社。最初の3年間は大阪で勤務し、その後、首都圏事業本部へ異動となった。長期間にわたるプロジェクトではメンバーの入れ替わりがある中、さらにコロナ禍という想定外の事態が重なったことで、一度はコンセプトを見直すことにもなった。設計事務所や建設会社、管理会社など、多くの関係者と折衝を重ねる瀧本は、「自分一人で解決できることは少なく、相手と想いを共有することが何より大事です」と、コミュニケーションを密にした。

section #

足で稼いだ情報から、
渋谷独自のコンセプトを導き出す

建築技術グループがハード面を形づくる一方、営業的な側面で川下にあたるリーシングや運用を担うのが事業推進グループである。「関西基盤でありながら東京にも進出し事業を拡大している点」に魅力を感じて2021年に入社した宮本は、既存ビルの解体のタイミングで本プロジェクトに参画した。彼の最初のミッションは、営業ツールの作成やビルのコンセプトを策定することだった。そのため、まずは徹底したターゲット設定に乗り出す。渋谷周辺のビルを50棟も歩き回り、入居するテナントの名前が入った館銘板を一つひとつ調査し、700社から800社もの企業をリストアップ。既存のイメージや断片的な情報に依拠するのではなく、現場で得た事実を積み重ねることで、渋谷エリアの特性を浮き彫りにした。

こうして明確なコンセプトが定まると、いよいよリーシング活動が本格化する。事業推進グループはチームで手分けをしながら、100社から150社に対してプレゼンテーションを実施した。宮本は「自分たちのものづくりに共感してもらうため、周囲を巻き込むことを普段から心掛けています」と語る。

さらに、ビルが竣工を迎えた後に2024年入社で配属されたのが、同グループの尾西である。「人に寄り添う姿勢」に惹かれて関電不動産開発を選んだ尾西にとって、新人ながら大手企業の経営陣を相手にリーシングの提案を行う日々は大きな挑戦であった。尾西は「まずは物件のことを誰よりも詳しく知ることを意識し、アピールポイントをまとめました。大きなプロジェクトに携われることがうれしかったです」と振り返る。

section #

空間の細部に宿る、
テナント目線を追求した心遣い

本プロジェクトが他物件と明確に差をつけるポイントとなったのが、既存ビルのテナントへの入念なヒアリングから生まれた、共用部への徹底したこだわりである。金子は「こんな設備がほしい、こんなところに困っている」というユーザーのリアルな声を丁寧にすくい上げ、設計に反映させていった。

とくに特徴的なのが、女性トイレの設備である。営業職の女性社員からの声が多かったヘアアイロン等の利用シーンを踏まえ、化粧台のカウンターは奥行を斜めに設計し、荷物を置く奥行の深いスペースとメイク直しに適した奥行の浅いスペースを設ける工夫が施された。また、顔を全方向から均一に照らすことで影を消し、肌を明るく美しく見せる効果のある「女優ライト」も完備している。さらに、個室数を多く設置するだけでなく、体調不良時の休憩や仮眠、産後復帰時の搾乳、着替えなど多様な利用シーンに対応できる「グリーンルーム」を設置。尾西も「こうした細かい心遣いが、物件の価値向上につながっています」と胸を張る。

一方、瀧本は最終段階の商品企画として、屋上テラス・ラウンジ空間の細部に至るまで、徹底したこだわりを追求した。テナントごとの入居工事に関する打ち合わせも担当し、図面だけでは伝わりにくい使い勝手やデザイン性も意識しながら、形にしていった。エントランス空間に関しては、「例えば同じ都内であっても、八重洲は重厚感が求められるが、渋谷はカジュアルで明るい雰囲気が好まれる」という、アンケートの声を反映させている。ワンフロアを借りるテナントはエレベーターホールの一部デザインを自社なりにアレンジできる自由度も持たせ、ターゲットによって提案資料を変える工夫も凝らした。「関電不動産開発らしさを表現することを大事にしました」という金子の言葉通り、作り手の背景や想いを設計者にニュアンスまで丁寧に伝えることで、唯一無二の空間が完成したのである。

section #

街と共に成長するビル、
若手メンバーたちの次なる展望

川上の開発から、川中の建築技術、川下の事業推進まで、チームの密な連携によって創り上げられた本ビルは、入居テナントからも高い評価を獲得している。各階に設けられた専用テラスのそばに水回りエリアを配置した結果、ほとんどのテナントがそこにオフィスキッチンを設けており、これは宮本たちの狙い通りであった。瀧本がこだわった屋上テラス・ラウンジ空間はテナント企業の社内のサークル活動にも利用され、また、テナントのオフィス空間が建築雑誌に掲載される事例も生まれた。瀧本はこのプロジェクトを通じ、「デベロッパーのあるべき姿を再確認できました。当社首都圏の中規模ビル開発における集大成的な位置付けになったと感じています」と確かな手応えを口にする。

プロジェクトは完了したが、4名の挑戦はまだ終わらない。瀧本は「渋谷は変化する街。建物という器は変わらなくても、ラウンジの使い方を模索するなど、ビルそのものも成長して続けてほしいですね。個人的には、今回の経験を生かし、違うアセットにも携わってみたいです」と意欲を見せる。宮本も「無機質だったビルに、テナント一社一社の個性や彩りを加える仕掛けを設けることで、 テナントとともに多様な表情を持つ空間へと育っていく。そうしたビルづくりを通して、首都圏での認知を広げながら、大手にはない価値で勝負していきたい。」と力を込めた。尾西は「若手であっても先輩に頼りっぱなしではなく、お客さまから信頼を得られるように頑張りたいです。今後は物件の企画にも挑戦してみたいです」と次なる目標を掲げる。金子も「渋谷の新たな可能性を秘めたエリアの価値を上げていくことが目標です。時代の変化をキャッチし、前例にとらわれずものづくりにチャレンジしていこうと思います」と決意を語った。作り手と使い手が同じ方向を向くことで生み出された「関電不動産渋谷ビル」は、これからも渋谷の街に新たな彩りを加えていく。

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